[最終更新日]2019年11月6日↺ [読了目安]こちらの記事は3分程で読めます

『ZAIMの教室 財務諸表専門の学校』のこすぴーです。
オリエンタルランド〈4661〉の2019年度2Qの決算が発表されました。(2019.10.30発表)
今回は、ディズニーが大好きなふゆみさんと分析していきましょう。

オリエンタルランドさんは、増税後の影響や新アトラクションのソアリンもチェックしていたので決算が気になっていました!

そうだよね!しかも、速報で2019年上半期は、過去最高の入園者数を記録したので、ますます気になるところでした!果たして、見通しの修正はあるのか?分析していきましょう!
➤目次
1. 2019年第2四半期の決算状況を見よう!
Point ➤減収減益 35周年イベントの翌年による影響!
2.2020年3月期見通しを見よう!
Point ➤減収減益 しかし上方修正が入る…!
3.今後の投資や事業戦略スケジュールは?
Point ➤大規模開発に比例して入園者数が増加…!
▸結論
【オリエンタルランド2019年 上期・第2四半期決算】
— ZAIMの教室@研修講師 兼 投資家 (@zaim_academy) 2019年10月30日
上期実績:減収△0,9%減益△1.5%
通期見通し:減収△4.1%減益△15.8%*上方修正
▶︎実績
35周年イベント関連の商品販売収入の減少による減収
人件費や諸経費増により減益
▶︎見通し
上方修正‼️入園者数が過去最高により増加を見込む📈 pic.twitter.com/imCDw2Fpi0
1.2019年第2四半期の決算状況を見よう!
Point ➤減収減益 35周年イベントの翌年による影響!
まずは、決算状況を、ホームページや説明会資料、決算短信にて振り返っていきましょう。
決算IR資料は、こちらにありますので、併せてご覧ください。
➤連結業績(減収減益)
▶資料1 売上高と各利益
(決算説明会資料より)
▶資料2 『テーマパーク事業』の収益
(決算説明会資料より)
▶気づき
➤【減収】売上高 前年対比0.9%減の2,484億円(△22億円)
➤【減益】営業利益 前年対比1.5%減の609億円(△9億円)
▶分析のポイント
➤なぜ減収減益したんだろう?

第2四半期累計の決算は、これまで見通しのとおり、減収減益になってしまったんですね!

上期は過去最高の入園者数でしたが、増収とはなりませんでした!その要因を探っていきましょう!
▸売上高の分析
・入園者数は上期過去最高を達成する
・スペシャルイベントの好調による増加
・新アトラクション『ソアリン』の好調による増加
・商品販売収入の減少
…➤東京ディズニーリゾート35周年イベント関連商品販売終了による減少
おさらいになりますが…
【売上高とは…単価×個数】で算出されます。
オリエンタルランドの場合は、【入園者数×一人当たり売上高】となります。
今回は、入園者数は過去最高だったので、
要因としては【一人当たり売上高】のうち
商品販売収入が落ち込んだことが要因となりました。
資料を見ると前年度よりも、△298円(7.2%)と、
大きく減少としているのがわかると思います。
さすがに、前年度の35周年イベントグッズを上回る収入を得るのは難しかったようですね!
つづいて、営業利益が減少した要因として、費用コストを見ていきましょう。
資料3 テーマパーク事業の費用
(決算説明会資料より)
▸営業利益の分析
・売上高の減少による減益
・人件費、諸経費による減益
・商品・飲食原価率の改善
・35周年イベントの費用減

やっぱり、減益の要因としては売上高の影響と人件費だったんですね~。

そうだね!でも、人件費増加の理由も、積極的な正社員登用による影響だったり、売上高もイベント翌年による影響だから、決して悲観するような内容ではないと思うよ^^

さすがに、35周年の時はわたしも、商品グッズをたくさん買いました!
けど、今年は例年並みのペースでお土産とか買っていたから、こうして決算にも表れているんですね!企業決算と消費行動が結びついている感覚が面白いです!

そうだよね!わたしたちの経済活動が、企業業績に紐づいているんだよ^^!!
2.2020年3月期の見通しを見よう!
Point ➤減収減益 しかし上方修正が入る…!
ここからは、2019年度(2020年3月期)の見通しを確認しておきましょう。
今回の大きなトピックとしては…
これまでの見通し数値から良くなる見通しへ修正が入りました!
いわゆる、上方修正の見通しとなりました。
資料4 2020年3月期見通し『全ての事業』
(決算説明会資料より)
(決算短信だとこちらの赤枠に記載されています!修正の有無が”有”になっていますね)
これまでの予想ではこちらの記事でも解説しているとおり、
減収減益を通していたのですが…
減収減益には変わりありませんが
数値としてはより改善される見通しになりました!
要因としては、資料にも記載のとおり下記となります。
➤期初予想からの改善結果
①入園者数の増加傾向 3,000万人→3,150万人(+150万人)
②ゲスト1人当たり売上高は減少傾向 11,640円→11,630円(△10円)

すごいですね!!そして、見通しの有無などは、決算説明会資料だけではなく、決算短信の指定の箇所にも記載されているんだ!今度からは、ここもチェックします!
3.今後の投資や事業戦略スケジュールは?
Point ➤大規模開発に比例して入園者数が増加…!

見通しは上方修正になり、ますます今後のスケジュールが気になりますので、変更・確定箇所、株価も含めて振り返っておきましょう!
資料5 今後のスケジュール
(決算説明会資料より)
<ディズニーランド>
・2020年春 美女と野獣エリア 約750億円
<ディズニーシー>
・2019年7月 ソアリン 新規アトラクション 約180億円
・2022年頃 ファンタジースプリングス 約2,500億円
※アナと雪の女王、塔の上のラプンツェル、ピーターパンをテーマにするエリア
<その他>
・2021年頃 トイ・ストーリーをテーマにするホテル 約315億円

ソアリンも乗りましたけど、すごい爽快感があって面白いアトラクションだったもんな~。トイ・ストーリーのホテルや美女と野獣エリアも楽しみすぎる!(笑)

今後のスケジュールも、期初の4月からいろいろと変更・確定しているようだよ!それぞれ見ていきましょう!
■2019年4月期末決算資料からの主な更新箇所(決算説明会資料より一部編集)
資料6 東京ディズニーリゾート・アプリ上で取得できるディズニー・ファストパスのサービス 開始時期「2019年夏」⇒ 「2019年7月」
資料7 メインエントランス多言語対応の自動券売機「導入予定」⇒ 「導入」
資料8 東京ディズニーランド大規模開発開業日「2020年春」⇒ 「2020年4月15日」
資料9 2019年度営業キャッシュ・フロー予想「1,052億円」⇒ 「1,155億円」
資料10 2019年度ROE予想「7.9%」⇒ 「9.1%」
▶資料6 ファストパスの取得サービスの開始
…➤東京ディズニーリゾート・アプリ上で取得できるディズニー・ファストパスのサービス 開始時期「2019年夏」⇒ 「2019年7月」
▶資料7 多言語対応の自動券売機
…➤メインエントランス多言語対応の自動券売機「導入予定」⇒ 「導入」
▶資料8 東京ディズニーランド大規模開発開業日
…➤東京ディズニーランド大規模開発開業日「2020年春」⇒ 「2020年4月15日」
▶資料9 営業キャッシュ・フローの予想修正
…➤2019年度営業キャッシュ・フロー予想「1,052億円」⇒ 「1,155億円」
▶資料10 ROEの修正
…➤2019年度ROE予想「7.9%」⇒ 「9.1%」

外国人向けに多言語対応したり、開業日が決まったり、いよいよ確定してますね!

そうだね!しかも、予想としては、良い方向へ改善しているのでとても期待できます!(地味にROEもかなり改善されている予想もされていたのはびっくり…!)

ちなみに…決算発表後の株価はどうなんですか?

2019年10月31日の9時47分時点では、16,200円△210(△1.28%)と株価を押し下げていました!
う~ん、上方修正はしたものの、減収減益の結果で売られつつ、買い戻しもあり、まだ市場は安定してないようだね!
資料11 オリエンタルランドの株価

やっぱり、単純に【上方修正だから株価が上がる】というわけではないんですね!勉強になるなぁ!

そうだね、市場は投資家の集団心理の集まりだからね!もう少し様子を見つつ、こちらの記事で更新しておきたいと思います^^!!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました^^
下記のコラムも、応援の想いをこめて書きあげています。ひと休みしたら、ぜひご覧ください。
また、オリエンタルランドの決算書・財務諸表を分析したい方は集団講座にもお越し下さい^^