[最終更新日]2019年10月10日↺ [読了目安]こちらの記事は4分程で読めます

『ZAIMの教室 財務諸表専門の学校』のこすぴーです。
ふゆみさんと一緒に、財務諸表・決算書の読み方を3時間でマスターする無料講座の1-21回目となります。
今回から、キャッシュ・フロー計算書の解説に移りたいと思います。

今まで、何気なく使っていた『利益』と『現金』をきちんと使い分けたいと思います!

はい、それが『大事な会計の考え方』です!
1.C/F計算書の『定義』を理解する!
まずは、きっちりと、キャッシュ・フロー計算書を定義しておきましょう!
キャッシュ・フロー計算書とは…➤
『ある一定期間の会社の現金の動きを記録したもの。』
ここで、大事なのは、「ある一定期間」でのお話をしているということです。
例:2017年4月~2018年3月までのキャッシュ・フロー計算書、のように表現されるということです。
その構成は、大きくポイントをまとめると下記図のように、3つになります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

貸借対照表と同じように、3つ区分けがあるってことですね!

その通り!そして大事な概念をもうひとつ紹介します。

ここで大事なことは、『現金』には、『現金同等物』も含まれるということです。
『現金同等物』…3か月以内に現金化できるもの
✔ 定期預金を組んでいるけれども、3か月以内に現金化できるのであれば、それは『現金』として扱います。これを現金同等物といいます。
✔ 逆に、3か月超の定期預金の場合は、現金としては扱わないということに注意しましょう。これは現金同等物とはいいません。

定期預金でも、期間によって変わるんですね!そういう考え方をするんだ~。
2.C/F計算書の3つのBOXを理解しよう!
それぞれの3つの区分を一緒に見ていきましょう。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
✔ 名前の通り、『営業活動』の動きが書かれている
✔ 『本業』でどれだけ現金が入ってきたのか?それとも出て行ったのか?が記録されている
✔ 現金が出ていった時には「△(マイナス)」で表示されているので注意する
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
✔ こちらも名前の通り、『投資活動』の動きが書かれている
✔ 『投資』でどれだけ現金が入ってきたのか?それとも出て行ったのか?が記録されている
✔ 投資の例①)マヨネーズを作っている会社であれば、工場の機械や工具を購入して現金が減ること
✔ 投資の例②)その機械や工具を売って現金が増えること
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
✔ こちらも名前の通り…と言いたいのですが、
『財務』というのが、『貸し借り』のことを意味していることに注意する
✔ そのため、『貸し借り』でどれだけ現金が入ってきたのか?それとも出て行ったのか?が記録されている
銀行からどれだけ借金をして現金が入ってきたのか?
銀行へどれだけ借金を返したので現金が流出したのか?
3.C/F計算書をシミュレーションしよう!
ここで、簡単にキャッシュ・フロー計算書が出来上がるまで、どう作られていくのかシミュレーションしてみましょう!
たとえば、あるビジネスパーソンの1年間のキャッシュ・フロー計算書を作ってみたとします!
STEP1
営業活動によるキャッシュ・フロー
✔ 毎年、500万円を稼げるサラリーマンだとします。
✔ なので、「お給料+500万円」を営業活動によるキャッシュ・フローに記載します。
STEP2
投資活動によるキャッシュ・フロー
✔ 大の車好きの人だとします。
✔ なので、400万円の車(!)を一括、現金購入しました。
✔ 「固定資産による支出 △400万円」と記載します。
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STEP3
財務活動によるキャッシュ・フロー
✔ これでは、生活がやっていけないと思ったので、急いでお金を借ります。
✔ 1年以内に返済する借金を300万円しました。
✔ 現金が増えたので、「短期借入金+300万円」と記載します。
STEP4
1年間の増減額を把握
✔ STEP1~3までの1年間の現金の増減額を計算します。
STEP1:+500万円
STEP2:△400万円
STEP3:+300万円
合計:400万円
STEP5
1年間前の現金残高を把握
✔ 1年前の現金残高を把握しておきます。
✔ 1年前は100万円の現金をもっていました。
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STEP6
現在時点での現金残高を計算
✔ 1年前の現金残高100万円に、1年間の現金増減額を足し合わせます。
✔ 500万円の現金があるということになります!
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簡単にシミュレーションしてみたけど、イメージできたかな?

はい!1年前の現金残高と1年間の増減を足し合わせることで、今の残高がわかるんですね!
大事なことは…
『キャッシュ・フロー計算書の現金残高が、貸借対照表の現金と一致しているということ。』
を覚えておきましょう!
※現金同等物の調整をしている場合、一致しない場合もあります

1時限目第21回目の授業、大変お疲れさまでした^^
次の授業は「1-22 キャッシュ・フロー計算書を、人の身体に例えてみよう!」です。
人の身体に例えて、C/F計算書をわかりやすく解説します。
ひと休みしたら、ぜひ読んでみてくださいね!
・1-18 イメージが大事!実際のキャッシュ・フロー計算書を見てみよう!
・1-19 利益と現金は異なる part1 『掛け売り・掛け買い』という考え方
・1-20 利益と現金は異なる part2 『減価償却費』という考え方
・1-21 キャッシュ・フロー計算書には3つのBOXがある!←イマココ
・1-22 キャッシュ・フロー計算書を、人の身体に例えてみよう!