[最終更新日]2019年11月8日 [読了目安]こちらの記事は3分程で読めます

『ZAIMの教室 財務諸表専門の学校』のこすぴーです。
株式会社ミクシィmixi(2121)の2019年度2Qの決算が発表されました。(2019.11.8発表)
今回は、記者のしゅうじさんと分析していきましょう。
以前、2018年度の通期決算分析したときは、モンスト不振を懸念しましたが、今回はどうだったのでしょうか?

今回の結論としては…やはりモンストの業績は大幅に激減しており【減収減益】でした!
じゃあこれですぐ倒産になってしまうのか?と疑いたくなりますが…倒産の可能性は極めて低いです。
きちんと数字から財務分析して検証していきましょう!
➤目次
1. 2019年第2四半期の決算状況を見よう!
Point ➤減収減益 要因はモンストの業績不振による!
2.2020年3月期見通しを見よう!
Point ➤減収減益 しかし、見通しに修正はなし!
3.ミクシィは倒産するの?
Point ➤財務健全性は継続して抜群である!
1.2019年第2四半期の決算状況を見よう!
Point ➤減収減益 要因はモンストの業績不振による!
まずは、決算状況を、ホームページや説明会資料、決算短信にて振り返っていきましょう。
決算IR資料は、こちらにありますので、併せてご覧ください。
➤連結業績(減収減益)
▶資料1 売上高と各利益
(決算短信資料より)
(決算説明会資料より)
▶気づき
➤【減収】売上高 前年対比34.1%減の46,835百万円
➤【減益】営業利益 前年対比80.5%減の4,035百万円
▶分析のポイント
➤なぜ減収減益したんだろう?
第2四半期累計の決算は、減収減益だったんですね!

これは会社予想通りの結果といえば、結果だったね!要因を、決算資料とともに見ておきましょう。
▶資料2 事業別の業績の分析
(決算説明会資料より)
業績の要因(累計)を確認すると…
やはり、モンストを運営している【エンターテインメント事業】の売上高の金額が
大きく減少しているのがわかります。
▸エンターテインメント事業(第2四半期累計:百万円)
68,044(FY19年)→45,137(FY20年):△22,907(△33.6%)
▸ライフスタイル事業(第2四半期累計:百万円)
2,999(FY19年)→1,697(FY20年):△1,302(△43.1%)
やはり…モンストをリバイブして業績を復活するのは厳しいんですね。

たしかに数字としては厳しい結果ですが…すこしづつ成果も見え始めたようですよ!
月間アクティブユーザー(MAU)が徐々に上昇の兆しが出ました!
▶資料3 事業別の業績の分析
たしかに、上期はオーブ100個以上配布イベントなどで
うまくモンスト自体を盛り上げた印象もあります。
その結果、休眠ユーザーを呼び戻しに成功したようですね!

ここでZAIMの教室のご紹介をさせてもらいます!
財務諸表や決算書を読めるようにしたい方向けに、個人指導を行っています。
トレーニングをしてみたい方は、下記のコースをぜひご覧ください^^
2.2020年3月期の見通しを見よう!
Point ➤減収減益 しかし、見通しに修正はなし!
ここからは、2019年度(2020年3月期)の業績見通しを確認しておきましょう。
今回、前期末からの予想では【減収減益】でしたが…
通期見通しに変更なし!引き続き、減収減益予想です!
資料4 2020年3月期業績見通し
(決算短信資料より)
これだけ大幅に減収減益でも、見通しには変更なしということですね!

そうですね!見通しとの進捗率もありましたので、確認しておきましょう!
資料5 通期見通しがどれほど達成しているか?進捗率(2020年3月期)
(決算説明資料より)

たしかに大きく減収減益していますが、ミクシィがそれを予見していなかったわけではありません。売上と利益の進捗的には、順調に進んでいるのです。
こういうように、きちんと見通し通りに会社運営ができているのか?という視点で見れば、非常に冷静に経営ができているとも見てとれます!
3.ミクシィは倒産するの?
Point ➤財務健全性は継続して抜群である!

それでも、ミクシィは倒産するのか?危ないんじゃないか?と疑いたくなると思いますので、最後に財務健全性のチェックをしておきましょう!
実は、2018年度の通期決算分析でも、財務健全性のチェックをしていました。
下記の記事で分析していますので、ぜひご覧ください。
では、現時点でのミクシィ(mixi)の倒産危険性は?
ということで、数値を見ていきましょう。
資料6 財政状態 自己資本比率(2020年3月期)
(決算短信資料より)
会社の総合的な安全性を示す経営指標として…
【自己資本比率】
純資産 ÷ 総資産
という指標があります。
企業の総資産のうち、純資産がどのくらい占めるのか?
という比率を表すものです。
ひとつの基準として、50%以上あると優良といわれています。
もし理解が怪しい人がいたら、下記の記事もご覧ください。

こちらの資料を見ると、自己資本比率は悪くなるどころか、良くなっておりました!
(*資産・現金自体は昨年より減少しています)
しかも、継続して驚異の90%超ですので、自分の資産のうち、借金は10%以下ということです。
たしかに業績は悪いですが、無借金経営が続いているということですね!

はい、そういうことですね!ただし、企業が倒産するかは、現金が底を尽きた時です!ということで、現金の推移を見ておきましょう!
資料7 現金の推移と総資産に占める割合(*貸借対照表より作成)
▸現金の推移(第2四半期時点:百万円)
144,417(FY19年)→142,693(FY20年):△1,724(△1.1%)
▸現金の資産に占める割合(第2四半期時点:百万円)
75,1%(FY19年)→75.8%(FY20年):+0,7%
こうして見ると、自分の資産のうち、現金の比率は約75%と高く
そして、借金などこれから大きく返済する予定もありません。
まだまだ、潤沢な現金があるということです。
ということで、倒産の危険性は…極めて低い結果でした。
企業の財務健全性はまだまだ高い数値なので…
引き続き、この安全圏のうちに、
モンストのリバイブと、次なる一手に期待したいですね!
資料8 下期の施策
(決算説明資料より)

ここまで読んでいただき、ありがとうございます^^
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