1-19 利益と現金は異なる part1 『掛け売り・掛け買い』という考え方

 

 

 [最終更新日]2019年10月10日↺ [読了目安]こちらの記事は5分程で読めます 

 

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こすぴー先生

『ZAIMの教室 財務諸表専門の学校』のこすぴーです。

ふゆみさんと一緒に、財務諸表・決算書の読み方を3時間でマスターする無料講座の1-19回目となります。

キャッシュ・フロー計算書の構造を理解する前に、『利益と現金は異なる』を2回に分けて解説していきます。

 

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ふゆみさん

『利益と現金は異なる』ってどういうことですか? 

 

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こすぴー先生

先生はこれまで何気なく、『利益』や『現金』という言葉を使ってきました。しかし、実はその両者には明確な違いがあります。

 

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ふゆみさん

そ、そうなんですね。同じお金だと思っていました。 

 

 

 

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1.仕入~販売までをイメージする!

 

たとえば、ある商品を仕入れて販売する店主だと仮定してお話します。

その取引を一連の流れで一緒に見ていきましょう!

 

わかりやすいように図を使って説明していきますが、

それぞれ『利益』『現金』の動きをみていきます。

 

・上が『利益』の動き

・下が『現金』の動き

 

 

 

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1日目 商品を仕入れる

 

✔ 商品を仕入れなければ、売ることはできません。

✔ なので、商品を300円で仕入れることにしました。

✔ しかし、『支払いは45日後に指定の口座へ振り込みを』と取引先に言われました。

 

 < 1日目 商品を仕入れる >

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30日目 商品を売る

 

✔ 開店準備が整ったので、実際の商品を売ります!

✔ 利益をもちろん載せて1,000円で売ることにしました。

✔ しかし、『クレカ払いなので、入金は30日後になると思います』とお客さんから言われました。

 

 

  < 30日目 商品を売る >

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45日目 商品の仕入れ代金を支払う

 

✔ 1日目で仕入れた商品の支払い期限を迎えました。

✔ 約束通り、ここで現金を取引先へ支払います。

 

  < 45日目 商品の仕入れ代金を支払う >

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60日目 商品の売り上げ代金が入金される

 

✔ 以前、30日目で購入してくれたお客様から、カード会社を通じて、1,000円入金されることになりました。

 

  < 60日目 商品の売り上げ代金が入金される >

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ふゆみさん

よくあるような小売店のお話だと思います~。

 

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こすぴー先生

そうだね。いくつか大事なポイントがあるので解説していきます!

 

 

 

 

 

 

2.利益がすぐに現金にならない『掛け』

 

ここで教えたいことは、『利益がすぐに現金にはならない、掛けの考え方』ということです。

 

✔ いつ仕入れたか?

✔ いつ売り上げたか?

✔ いつ支払ったか?

✔ いつ入金されたか?

 

このタイミングがとっても大事になります。

 

 

 

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こすぴー先生

さて、ここで質問です!45日目時点での会社の利益はいくらでしょうか?

 

 

 

45日目 商品の仕入れ代金を支払う

 

✔ 1日目で仕入れた商品の支払い期限を迎えました。

✔ 約束通り、ここで現金を取引先へ支払います。

 

  < 45日目 商品の仕入れ代金を支払う >

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ふゆみさん

えーっと・・・300円で仕入れて、1,000円で売ったから、利益は700円?

 

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こすぴー先生

正解です!それでは続いて質問です!同じ時点での、現金はいくらでしょうか?

 

 

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ふゆみさん

現金?現金ってことは、私たちがお財布に入っているような手元にある現金ってことですか?

 

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こすぴー先生

そうです!ちなみに最初に持っていた現金は0円です。

 

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ふゆみさん

というと、最初にもっていた0円から、300円の支払いをしたから△300円?

 

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こすぴー先生

はい、正解です!

 

 

 

 < 『45日目』の利益と現金はいくら? >

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今、答えてくれたように、会社の計算上での話では、700円の利益があがっていますが、

実際の現金を見てみると、△300円という現象が起きています。

 

 

 

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こすぴー先生

では、続けて質問です!この利益700円と現金が一致する時点は何日目ですか?

 

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ふゆみさん

それは・・・入金があった60日目ってことですか?

 

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こすぴー先生

はい、正解です!よくできました!

 

 

 

  < 『60日目』に利益と現金が一致する >

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30日目に会社の計算上でていた700円の利益と、実際の現金が一致するのは、60日目の時点になります。

 

このような、時間差(タイムラグ)のある商売取引を『掛け』と言います。

 

 

 

 

『掛け買い』

 

✔ 仕入れと支払いで時間差(タイムラグ)がある商売取引

 

『掛け売り』

 

✔ 売り上げと入金で時間差(タイムラグ)がある商売取引

 

 

 

 

 

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ふゆみさん

それって、居酒屋のおじさんが『ツケといて!』ってやつと同じですか?

 

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こすぴー先生

そうです!あのツケ払いと同じ考え方ですね。他にも『クレジットカード』も同じ考え方ですね。

 

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ふゆみさん

確かにあれも、時間差のある取引ですもんね。

 

 

 

 

 『利益は、すぐには現金にはならない』

 

 

ということを覚えておきましょう!

 

 

 

 

 

 

3.時間差で『黒字倒産』が起きる!

 

ここで会社として大事なことは、

 

時間差で『黒字倒産』ということが起きるということです。

 

 

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ふゆみさん

どういうことですか?

 

 

 

たとえば、さきほど45日目のシーンで、

仕入れ代金を支払う時に手持ち現金が0円でした。

 

そのため、△300円と表現しましたが…

 

実際にそんなことが起きたら大変ですよね!

 

会社は、支払うことができなくなった瞬間に倒産です。

 

私たち個人が自己破産するのと同じように、

債権者への支払いが滞った瞬間に倒産していまうんです。

 

 

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こすぴー先生

でも、その時点での利益っていくらになっていましたか?

 

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ふゆみさん

700円です!

 

 

 

実際に、会社の計算している利益上では、黒字なのに

 

支払うことができずに倒産してしまうので、

 

『黒字倒産』

 

と呼ばれています。

 

 

 

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ふゆみさん

な、なるほど~。現金と利益っていうのは別物なんですね~。

 

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こすぴー先生

はい、今日はそこが理解してほしかったわけであります!

  

 

 

  < 『黒字倒産』利益はあるのに現金がない >

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こすぴー先生

1時限目第19回目の授業、大変お疲れさまでした^^

次の授業は「1-20 利益と現金は異なる part2 『減価償却費』という考え方」です。

大事な2つの考え方のうち、2つめをわかりやすく解説します。

ひと休みしたら、ぜひ読んでみてくださいね!

 

 

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1-18 イメージが大事!実際のキャッシュ・フロー計算書を見てみよう!

1-19 利益と現金は異なる part1 『掛け売り・掛け買い』という考え方←イマココ

1-20 利益と現金は異なる part2 『減価償却費』という考え方

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1-22 キャッシュ・フロー計算書を、人の身体に例えてみよう!

1-23 我が家のキャッシュ・フロー計算書を作ってみよう!

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