[最終更新日]2019年10月17日↺ [読了目安]こちらの記事は4分程で読めます

『ZAIMの教室 財務諸表専門の学校』のこすぴーです。
ふゆみさんと一緒に、財務諸表・決算書の読み方を3時間でマスターする無料講座の3-7回目となります。
最後の収益性分析です!セグメント別に見ていきましょう。

飛行機以外もあるってことですね!
▶ セグメント分析を復習したい方はこちらへ(収益性③の解説)
1.『JALのセグメント』を知る!
さっそく、JALのセグメントを見ていきましょう。
< 日本航空(JAL)のセグメント情報 >

このセグメントを見て、どんなことを考えたかな?

『航空運送』の売上がほぼ占めていました!

正解っ!よく気づいた!
たしかに、ほぼ『航空運送』でJALは占められていました。
航空運送とは、もちろん飛行機での輸送サービスのことですね。
▶ 気づいたこと
✔ 『航空運送』で売上がほぼ占められている
分析のポイント
✔ 他のセグメントはどんな事業か確認する
他にも、どのようなセグメントがあるのか見てみましょう。
▶ 日本航空(JAL)のセグメント
✔ 航空運送…旅客・貨物の取り扱い業務
✔ 航空運送関連…機内食、航空機及び地上機材等の整備、給油関係
✔ 旅行企画販売…旅行の企画販売
✔ カード・リース…金融業、リース業、カード業
✔ その他事業…ホテル・リゾート事業、商事・流通その他事業
こうして見てみると、当たり前のことかもしれませんが、
『航空運送』を中心に、そこに直接絡む事業を営んでいる
ということがわかります。

ここの『直接絡む』というのが大事なキーワードになっていきます。
2.『リスク分散』がセグメントの肝!
ここでもう一度、セグメントの考え方をおさらいしておきます。
1つの会社でいくつもの事業を行う理由に、『リスク分散』を教えました。
たとえ、1つの事業が傾いたとしても、
いくつかの事業を持っていれば、そちらの事業でもちこたえることができます。

では、JALの場合のセグメントはいかがでしたか?

確かにいくつかの事業がありますが、ほぼ稼ぎは『航空運送』でした。

次の章で解説していきましょう。
3.『単一セグメント』にはリスクもある!
たしかに、事業としてはいくつも持っているのに、ほとんどの儲けは『航空運送』事業でした。
これは、実質、『単一セグメント』と解釈してもよいと思います。
つまり
『航空運送』事業が傾いたら、会社として倒産の危機がある
ということです。
しかも、少なからずある他の事業もすべて、直接的に『航空運送』事業と結びついています。
▶ 『航空運送』との結びつき
✔ 航空運送関連…乗客がいないと機内食も販売する機会を失う
✔ 旅行企画販売…乗客がいないと企画をしても赤字になる
✔ カード・リース…乗客がいないとJALカードを使用してもらえない
✔ その他事業…乗客がいないと、ホテルもリゾートも利用してもらえない
このように、単一セグメントの場合は、諸刃の刃な側面もあり、リスクがある可能性があります。

なるほど~。だから、『航空運送』次第なんですね…。どこか切ない。

もし皆さんが事業経営者の場合、手広く広げすぎずとも、リスク分散は必須と言えるでしょう。

3時限目第7回目の授業、大変お疲れさまでした^^
次の授業は 「3-8 倒産しないかな?① 資産に占める『純資産』の額を知る!- 日本航空(JAL) -」です。経営破綻前のJALの安全性を分析していきます。
ひと休みしたら、ぜひ読んでみてくださいね!
・3-5 儲かっているかな?① 『売上』に占める利益の割合を知る!- 日本航空(JAL) -
・3-6 儲かっているかな?② 『資産』に占める利益の割合を知る!- 日本航空(JAL) -
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