[最終更新日]2021年03月23日↺ [読了目安]こちらの記事は5分程で読めます
『ZAIMの教室 財務諸表専門の学校』のこすぴーです。
花王〈4452〉の株主総会(第114期)が2020.03.25に行われました。
新型コロナウイルスの影響も心配されるなかでの開催でした。今回は、特に下記3つを重点にレポしていきます!
①株主総会のお土産情報
②新型コロナウイルスの影響
③不況にも耐えうるのか?花王の財務体質
➤目次
1.花王の2019年株主総会情報!
Point ➤新型コロナウイルスの対策ばっちり!
2. 花王の株主総会の雰囲気は?
Point ➤新型コロナウイルスの影響は不透明!
3.花王は強い財務体質なのか?(有料会員限定)
Point ➤財務健全性の指標を分析!
▼前回の株主総会の記事はこちらから!
1.花王の2019年株主総会情報!
Point ➤新型コロナウイルスの対策ばっちり!
▸資料 株主総会の会場
新型コロナウイルスへの対策も行いながら、開催をされておりました!概要から振り返りましょう。
▸資料 招集通知
【開催情報】日時:2020年03月25日(水)AM10時
場所:ザ・プリンス パークタワー東京 地下2階ボールルーム
質疑応答も盛り上がり、第2章で詳しく述べるため、当日の議事進行をご紹介しておきます。
➤参加者数
ざっくり200~500名ほどの参加者でした。
やはり新型コロナウイルスの影響で、
明らかに、昨年よりも参加者数は少ない印象でした。
➤参加者層
ご年配の方や主婦層を中心とした投資家の方が多い印象です。
➤配当金
前期から10円増配の1株あたり年間130円になります。
30期連続の増配を達成です!
➤お土産
毎年、たくさんの株主総会土産を渡してくれる花王さん。
総会土産は、こういうご時世で大変難しい判断だと思いますが、
今年の株主総会のお土産はこちらでした!
➤展示
➤新型コロナウイルスの対策
・マスクの着用を促す
・会場に入る前にアルコール消毒を促す
・係員もマスクの手袋の着用を行う
・席も隣の方と密接しないよう間隔を空ける
・検温の実施
・議事進行を短時間で進行する
本当に開催することへの、大変なご苦労があったと想像します。
スタッフの方や関係者しかり、滞りなく開催しており非常に素晴らしかったと思います。
特に、長時間の滞在とならないよう議事進行の短縮を事前にアナウンスしておりました。
実際に澤田氏の議事進行により約1時間15分ほどで終了しましたので、
非常に効率的かつ効果的に議事運営されておりました。
▼新型コロナウイルスへの対策案内と消毒液
ここでZAIMの教室のご紹介をさせてもらいます!
財務諸表や決算書を読めるようになりたい方向けに、個別指導を行っています。
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2.花王の株主総会の雰囲気は?
Point ➤新型コロナウイルスの影響は不透明!
やはり新型コロナウイルスへの影響を心配する声が多数寄せられました!非常に興味・関心の高いテーマだったと思います!
<質疑のあったテーマ>
・生産状況など事業を継続できる調整がついているか?
・貸借対照表のリース負債・使用権資産とは?
・エコナの休売。再発売はあるのか?
・ヒューマンヘルスケア事業の利益率の苦戦はメリーズが影響?
・新技術ファインファイバーを詳しく教えてほしい
・売上に占める中国の割合を教えて欲しい
・新型コロナウイルスへ花王としてどう捉えているか?
・役員の女性比率に違和感がある。どれぐらいにする?
※赤字は新型コロナウイルス関連に関する質問事項
Q.生産状況など事業を継続できる調整がついているか?
38の工場が国内外にあるが感染が報告されている工場はない。ただし、一部外出規制がある国もあり影響はでている。
Q.新型コロナウイルスへ花王としてどう捉えているか?
菌やウイルスなどをシャットアウトするような研究開発をしている。マスク・手洗いは必須。マスクは顔を触った時に口や鼻を触ることを防いでくれる効果がある。今後も、大学や政府と研究を進めて社会貢献したい。
緊急対策本部を2月には設置して情報収集に努めている。化粧品などは大きな打撃があるが、衛生用品も花王は備えている。今こそ、花王グループの総合力をフル活用していきたい。
やはり、投資家の方たちの気持ちとしては、
新型コロナウイルスの影響から、株主還元や事業への見通しを気にされておりました。
特に、花王さんは化粧品事業をインバウンド需要や
中国市場が大きく占めるため、事業の行く末が気になります。
澤田社長から次期見通しに関して、新型コロナウイルスを加味してお話もありました!
【新型コロナウイルスを加味して次期の見通し】
・増収増益は必ず達成したい
・31期増配も目指したい
・見通し値は値幅を持たせて公表している(コロナウイルスを加味して)
・衛生品の需要は増大している
・化粧品やサロンビジネスは大きな影響がある
・政府や工業界からの要請や支援には応じる
・花王グループの総合力をフル活用したい
▼値幅を持たせた次期見通し
先行が不透明な状況で見通しを示すことは困難という状況でした。
ここで、花王さんがコロナウイルスによる不況が来ても耐えうる強い財務体質があるのか?安全性分析を次章でしてみましょう!
3.花王は強い財務体質なのか?
Point ➤財務健全性が高い企業である!
新型コロナウイルスの影響で、多くの企業へ打撃が来ると思われます。そこで、花王の財務体質を分析しておき、耐えうる財務を持っているのか検証してみようと思います!
■配当金と配当性向の推移
➡ 良い◎(2019年決算説明会資料・HPより)
【Point】
配当金も配当性向も、非常に安定的かつ右肩上がりで推移しております。しかも花王さんは30期連続の増配ということで、かなり特徴的な株主還元をされております!配当性向とは、親会社株主に帰属する当期純利益のうち、どのぐらい配当金に回しているのか?の比率のことです。30%前後が上場企業の平均値と言われるなか、高い比率を示していることがわかります。
▸配当性向を勉強したい方向けの記事
▼安全性の指標分析(ZAIMの教室にて算出)
■自己資本比率(純資産÷資産×100)
2019年12月期: 52%(良い◎)
【Point】
総資本に占める自己資本の割合を示す自己資本比率ですが、直近の指標は52%でした。こちらは、最低ライン30%以上、50%以上あると優良といわれる数値のため、財務健全性の高い数値だと認識できます。
▸自己資本比率を勉強したい方向けの記事
■流動比率(流動資産÷流動負債×100)
2019年12月期: 170%(良い◎)
【Point】
短期的な安全性を示す流動比率は170%!150~200%あれば最低ラインの数値と言われるなか、目先1年以内の倒産可能性は少ないといえる数値でした。
▸流動比率を勉強した方向けの記事
■固定比率(固定資産÷純資産×100)
2019年12月期: 105%(良い◎)
【Point】
長期的な安全性を示す固定比率は、固定資産を純資産ですべて賄えているのか?という指標でした。そのため、100%以下であることが望ましい指標なのですが、ほぼ安全圏内の数値でした。
しかも、工場などを抱える製造業のため固定資産が多くなりがちな企業です。割り引いてみても優良な数値です。
▸固定比率を勉強した方向けの記事
■固定長期適合比率(固定資産÷(純資産+固定負債)×100)
2019年12月期: 75%(良い◎)
【Point】
固定比率が100%を超えた場合にチェックしておきたい固定長期適合率です。こちらは、固定負債まで含めたら、固定資産を賄えているのか?という指標ですので、100%以下が望ましい数値です。75%と非常に優良な数値でしたので、こちらも健全性の高い結果となりました。
▸固定比率を勉強した方向けの記事
以上の結果から、花王は強い財務体質を確保している企業といえます。
財務健全性の高い企業ですので、不況や一時的な業績低迷があったとしても、倒産などは考えにくい企業といえます。
むしろ、この難局を衛生用品メーカーとして、好機・チャンスとして一層飛躍されるのではないでしょうか。
新型コロナウイルスも一時的な影響と判断できれば、おそらく配当金の31期増配も期待できるでしょう。
今回は、新型コロナウイルスの影響で財務体質についても分析してみました。こうして、株主としてもきちんと財務分析できると安心感が増しますよね。
財務諸表や決算書を読めるようになりたい方向けに、個別指導をZAIMの教室では行っています。トレーニングをしてみたい方は、下記のコースをご覧ください!
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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▼財務諸表・決算書を勉強してみたい方はどうぞ^^