[最終更新日]2019年10月11日↺ [読了目安]こちらの記事は5分程で読めます
『ZAIMの教室 財務諸表専門の学校』のこすぴーです。
ふゆみさんと一緒に、財務諸表・決算書の読み方を3時間でマスターする無料講座の2-3回目となります。
収益性分析の山場です!とっても重要な回なので、心して学んでください。
はい、宜しくお願いします!
今回は、『資産に占める利益の割合』も見て欲しいということです。
というのも、売上に占める利益の割合だけを見てみても、
大きな資産を持っている割には稼げていないということが起きます。
Case
大人と子供がマラソンをした時に、同じ成績じゃあまずいですよね。
もちろん、大きな身体をしている大人であれば、
小さな身体のこどもよりも、良い成績を残して欲しいです。
企業も同じです。
大きな資産を持っているのであれば、
それだけ大きな利益を生んでいないと割に合わないのです。
1.『総資産利益率(ROA)』を見よう!
さて、いよいよ来ました!『R~(なんちゃら)』シリーズです!
これは本当に理解して、すぐ忘れます…。
いまや多くのビジネスシーンで使うROA・ROE・ROIの3つを今日は解説します!
1つ目にご紹介するのは、『総資産利益率』です。
総資産利益率(Return On Assets)
= 当期純利益 ÷ 資産 × 100
✔ 英語名を和訳すると…
Return・・・利益
On・・・~に対する
Assets・・・資産
総資産利益率(ROA) = 資産 に対する 利益
✔ 略称を頭文字をとって、『あーる(R) おー(O) えー(A)』と呼びます
✔『会社の全ての資産を使って、どれだけの利益が出たのか?』
こういうことを、知るための指標として使います。
✔ 『会社の資産を有効に使えているのか?』
という意味合いでも、大切な指標となります。
せっかく持っている資産が、有効な利益を生み出してくれないと買った意味がないですもんね!
※ 注意 ※
本来的には、当期純利益ではなく、『事業利益』を分子に持ってくる方法が理論的には正しいとされます。
しかし、ざっくり理解シリーズでは、分子を『当期純利益』とします。
*事業利益・・・営業利益+金融収益(受取利息・有価証券利息・受取配当金・持分法による投資利益)
2.『自己資本利益率(ROE)』を見よう!
2つ目にご紹介するのは、『自己資本利益率』です。
自己資本利益率(Return On Equity)
= 当期純利益 ÷ 純資産 × 100
✔ 英語名を和訳すると…
Return・・・利益
On・・・~に対する
Equity・・・自己資本
自己資本利益率(ROE) = 自己資本 に対する 利益
✔ 略称を、『あーる(R) おー(O) いー(E)』と呼びます。
✔ 『会社の純資産(=自己資本)を使って、どれだけの利益が出たのか?』
こういうことを、知るための指標として使います。
✔ 『会社の純資産(=自己資本)を有効に使えているのか?』
という意味合いでも、大切な指標となります。
補足ですが、貸借対照表を勉強した時に、
・負債 = 他人資本
・純資産 = 自己資本
このように説明した知識が、活かされましたね。
この指標は、『会社の純資産を有効に使えているのかの指標』なので、株主のための指標とも言われます。
どういうことですか?
株主さんが出資してくれたお金が純資産になります。つまり、私たち株主のお金を使って、どれだけの利益を稼げる会社なのか?を知りたいわけです。
たしかに、せっかく出資したんだから、そのお金でしっかりと稼いでほしいですよね!
3.『投下資本利益率(ROI)』を見よう!
3つ目にご紹介するのは、『投下資本利益率』です。
こちらは、もしも余力がまだある方のみ覚えておきましょう!
(ここまでの知識は、必須ではありません)
投下資本利益率(Return On Investment)
= 営業利益 ÷ ( 純資産 + 有利子負債 ) × 100
*有利子負債とは…利子を伴う負債のこと。例:借入金や社債
✔ 英語名を和訳すると…
Return・・・利益
On・・・~に対する
Investment・・・投資
投下資本利益率(ROI) = 投資 に対する 利益
✔ 略称を、『あーる(R) おー(O) あい(I)』と呼びます。
✔ 『会社の投下資本を使って、どれだけの利益が出たのか?』
こういうことを、知るための指標として使います。
✔ 『会社の投下資本を、有効に使えているのか?』
という意味合いでも、大切な指標となります。
この指標は、『会社の投下資本を有効に使えているのかの指標』なので、よくプロジェクト立ち上げの指標で使われます。
たとえば、どういうシーンですか?
たとえば、新しい工場を建てるプロジェクトがあったとします。
その工場を建てるのに必要な資金が借金60億円と自己資本40億円で、合計100億円だとしますね。(=投下資本100億円と表します)
なるほど!そういうプロジェクトのシーンですね。
その工場が立てられた後、どれぐらいの営業利益を稼ぐことができるのか計算してみます。
例えば、それが毎年8億円の営業利益が見込めれば、『ROI8%』こういう風に使われます。
ちなみに、有利子負債を入れているのは、プロジェクトなどでは、自己資本のみでスタートすることは中々稀だからです。
このように、3つの資産に対する利益の割合を見てきましたが、
『①~③の利益の概念は、企業によって異なる』ということに注意してください。
企業によっては、経常利益を使用していたり、
売上総利益を使用している場合もあるので要注意です。
先生!この利益率の参考となる比率はありますか?
はい、あります。ROAとROEともに、8%以上で優良と言われています。
一橋大学で有名な伊藤レポートには、『グローバル企業であれば、8%以上のROA・ROEが欲しい』と明記されるほどです。
・2-1 財務諸表の分析!実際の使い方がわからないという方へ
・2-2 儲かっているかな?①『売上』に占める利益の割合を知る!
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