[最終更新日/公開日]2021年03月23日↺ / 2021年03月04日 [読了目安]こちらの記事は5分程で読めます
今回は『なぜディズニーはコロナ禍でいち早く休園することができたのか?』について、財務の視点から見ていこう!
このテーマは、ディズニー好きのわたしも気になっていました!
2020年2月29日~6月30日と4ヶ月も休園していたので…心配していました。
そうですよね!でも安全・安心が大事だからって、適当な判断で休園をするわけないもんね?そこで、財務面への理解が必要になるんだ。
今回は『手元流動性比率』という財務指標も併せて覚えておこう。
■目次
1.生き残るためには現金(キャッシュ)が大事!
2.手元流動性比率で安全性をチェックしよう!
3.ディズニーはコロナ禍でなぜ休園ができたのか?
1.生き残るためには現金(キャッシュ)が大事!
いきなり、本題に行く前にひとつ質問!わたしたち個人の生活において、安全・安心に生きていくために必要なお金ってなんだと思う?
う〜んと、銀行口座にあるお金ですか?そのお金があれば生活もできるし、最悪失業しても食いつなぐこともできるし?
正解!そうだよね、銀行口座に預けているお金が潤沢にあれば安心だし、しかもいつでも引き出せるから安心だよね!
実は企業も基本的には同じ考え方で「現金(キャッシュ)」をどれぐらい持っているか?を調べることで安全度が測れるんだ。
なるほど、個人の生活も企業経営も同じ考え方でいいんですね!
もしかして、この現金(キャッシュ)と今回のディズニーの休園が関係しているんですか?
はい、その通り!さすが察しがいいね!
この現金(キャッシュ)が潤沢にあれば、コロナ禍で休園してもなんとか耐えられそうですよね?そこで次の章で、それを調べる財務指標を教えるね。
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2.手元流動性比率で安全性をチェックしよう!
①企業にどれぐらいのすぐに使える現金(キャッシュ)があるか?
②その数値が優良の水準なのか?
以上の2つを調べる方法があるのでご紹介していくね。
手元流動性比率 = 手元流動性(現金及び預金+有価証券*)÷ 平均月商(年間売上高÷12ヶ月)
① 短期の資金繰りの余裕度を示す安全性の指標② 売上がストップしても、どのぐらいの期間、資金繰りに耐えられるか?という視点
*流動資産の部に位置する有価証券のこと
この指標は言ってしまえば…『月商の何ヶ月分の現金(キャッシュ)を持っているのか?』っていうことなんだ。
たとえば、年間売上高6,000万円の会社であれば、平均月商は500万円!(6,000万円÷12ヶ月)
その会社がすぐ使える現金を1,500万円持っていれば、手元流動性比率は3ヶ月(1,500万円÷500万円)ということになる!
これって…わたしたち個人の生活でいえば、平均月収50万円の会社員の銀行残高が150万円あるようなイメージですよね?
素晴らしい!その通りだよ〜!
こすぴー先生が最初に、個人の生活に例えてくれたのでイメージできました!
でも先生!いったいこれは何ヶ月分あればいいんでしょうか?
その優良指標が気になるよね…!
上場企業の平均値:1〜1.5ヶ月
優良な数値:2〜3ヶ月以上
このイメージで見てもらうといいと思うよ!
(想像よりも意外と少ないかも…。)そうすると、ますますディズニーがどれぐらいの現金を持っているのか気になってきました!
意外に少なく感じられたよね!企業財務の視点からみると、2~3ヶ月前後の現金を持っていれば、何か起きた時に銀行からの融資交渉ができる猶予があるんだ!
逆に、あまりにも多額の現金を保有しすぎると、”お金を寝かせている”と一般的には考えるよ。寝かせるくらいなら、事業や投資に使う(例:有価証券に投資する)ことを検討するのがベターだね!
3.ディズニーはコロナ禍でなぜ休園ができたのか?
そこで実際に、ディズニーを運営している(株)オリエンタルランドの2020年3月期の数値を一緒に見ていこう!
わたしも計算するから、みんなも電卓で計算してみてね!こんな感じですか…?
①(平均月商)38,704百万円=売上高464,450百万円÷12ヶ月
②(手元流動性)281,163百万円=現金及び預金261,164百万円+有価証券19,999百万円
③(手元流動性比率)7.26ヶ月=281,163百万円(手元流動性)÷38,704百万円(平均月商)
おお〜正解だよ!
手元流動性比率は驚異の…7.26ヶ月!!
自分でも計算してみて合っているのか不安になりました…!でも正解ってことは、ディズニーはすぐに使えるお金がたくさんあるんですね!!
その通りです!ディズニーを運営するオリエンタルランドは、潤沢に現金(キャッシュ)を持っていたんだ。
だからこそ、コロナが流行した2020年2月にいち早く、休園という意思決定ができたんだよ!
なるほどな〜。たしかに個人の生活に置き換えてみたら、7ヶ月分くらい銀行残高があったら、いますぐ失業してもなんとか生活のやりくりはできそうですもんね。
そうだよね、そのイメージは財務を理解する上で大事だよ!
ちなみに、このような娯楽やエンタメ・ゲーム企業は、潤沢に現金(キャッシュ)を持つ傾向があるんだ。
それは、安定的に収益が見込みにくい業界だから、一般的には銀行も簡単に融資をしてくれないんだよ。だからこそ、何があってもいいように備えを厚くしているんだ。
そのまさかが起きちゃったようなイメージですね…。たしかに、スマホゲーム含めて、10年前のゲームが今でもヒットし続けるのって難しいし、ヒット作を常に生み出すのも大変ですもんね…。
手元流動性比率を6ヶ月以上保持し続ける事例として有名なのは任天堂だよ(下図参照)
2021年の今となってはNintendo Switchがヒットしているので好調だけど、過去10年間の売上高推移を見ると好調続きとは言えない。任天堂は潤沢な現金を切り崩すように経営してたんだ。
しかも!潤沢に準備していたおかげで、研究開発費も削らずにむしろ増加させていき、2017年にNintendo Switchが生み出されたとも解釈できるんだよ。
本当ですね!売上高も現金残高も減少してるのに、研究開発費は増加してます!
なるほどな〜。通常は2~3ヶ月あれば優良な数値だけど、銀行融資が簡単にはいかない会社は、それ以上に積み立てておく必要もあるってことなんですね。
そうそう!だからこそ、このように、安全・安心を守るにも財務の理解が大事なんだということがわかってもらえれば、こすぴー先生は嬉しいよ!
この指標を知ると『わたしの会社大丈夫かな?』『他社はどうなんだろう?』と気になったので、早速チェックしたいと思います!
今回も講義ありがとうございました!また、次回の講義も楽しみにしていますね。
■Point‼︎
・会社が安全・安心に生き残るには現金(キャッシュ)が大事!
・現金が潤沢にあるか?手元流動性比率を見て2~3ヶ月以上の優良数値かチェック!
・融資が簡単にはできない業界や企業は、優良指標に関係なく手厚く準備しておく!
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