[最終更新日]2020年01月03日↺ [読了目安]こちらの記事は3分程で読めます
『ZAIMの教室 財務諸表専門の学校』のこすぴーです。ZOZO(3092)からビックニュースが出てきました。ZOZOがヤフーの子会社するというニュースです(2019.9.12時点)
これは朝からビックリしましたよ…!しかも、前澤社長は退任する意向だそうです…!
創業した会社を手放すのは本当に大きい決断だと思うよ。今回は、子会社化とは?TOBとは?こちらの解説をしながら、ZOZOがなぜ、ヤフー・ソフトバンクグループの傘下に入ったのか大きな理由を2つ推察してみます。
➤目次
1.ZOZOがヤフーに買収される!
Point ➤ヤフーはソフトバンクグループの子会社でもある!
2. 50.1%株式取得って中途半端な数字じゃない?
Point ➤子会社化とは50%超の株式を取得すること!
3. TOBとは?どんな買収方法があるの?
Point ➤TOB・MBO・MBI・LBOの4つの方法がある!
➤結論(なぜZOZOがヤフーの傘下に入る?)
①お互いの売上高を伸ばす相乗効果が見込めるから
②前澤さんは保有株式を売却することで莫大な資金源が手に入るから
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1.ZOZOがヤフーに買収される!
Point ➤ヤフーはソフトバンクグループの子会社でもある!
今回のニュースを振り返りましょう。
・ヤフーがZOZOを子会社化する方針
・ZOZOの株式の50.1%の取得をする
・TOB(株式公開買い付け)にて実施する
・36%の株式を保有する前澤社長は売却に応じる
・前澤社長は退任し、後任に澤田宏太郎氏が昇格する
先ほど適時開示しましたが、ヤフーさんとZOZOは資本業務提携することとなりました。また、このタイミングで僕は代表取締役を辞任し、新社長に今後のZOZOを託し、僕自身は新たな道へ進みます。詳しくは本日17:30からの記者会見でお話しさせてください。
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) September 11, 2019
前澤友作さん(2019年9月12日現在)
年齢:43歳
経歴:ZOZOの創業者・代表取締役社長
前澤さんは退任される予定なんですね~…!
これには本当にびっくり!!退任後は、個人活動に従事するとの報道もされているね。
でも、正直このニュースを見て、何でヤフーの子会社に?そして何でこの時期に?って疑問が思い浮かびましたよ。
そうだよね。そこを紐解くには、『子会社化』と『TOB』を理解しながら見ていきましょう。
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2. 50.1%株式取得って中途半端な数字じゃない?
Point ➤子会社化とは50%超の株式を取得すること!
まずは子会社化について理解を深めよう!
・ZOZOの株式の50.1%の取得をする
正直、こういうニュースがよく報道されますが、こう思いませんか?
『なんで、50.1%なんて中途半端な数字で株式を取得するの??』
これにはワケがあるんですね、子会社の定義を見ていきましょう。
子会社とは…➤
親会社に意思決定機関を支配されている会社。
<条件>
・議決権を50%超を他の会社(=親会社)に所有されている
・議決権が40%以上でも、意思決定機関を『支配している一定の事実』(*)が認められる場合
*役員の派遣状況や財務及び営業の方針決定を支配する契約が存在するなど
ここで大事なのは。50%超だということです!
単純に数字だけなら、50%じゃダメなんです。
0.1%でもそれより上回る株式を取得していないと『子会社』とは定義されません。
*もちろん、40%以上でも子会社に認定される場合もあります
なるほど!だからよく中途半端な数字で買収(M&A)のニュースって流れるんですね!
そうです、決して適当な数字で取得しているわけじゃないですよ(笑)
また、ヤフーはソフトバンクグループの子会社でもあります。
こちらの関係を図式してみると、下記のような関係になる予定です。
*2019年9月12日時点の情報で作成
でも、なんでヤフーの子会社にZOZOは入ったんでしょうか?
それは、大きく2つ理由があると推察されます。この章では1つ目の理由を紹介します。
【理由①】お互いの売上高を伸ばす相乗効果が見込めるから
1つ目の理由は、お互いに売上の相乗効果が狙えるからです。
ヤフーは、電子商取引(EC)の取扱高を引き上げたい狙いがあるでしょう。
いまや、国内であれば『楽天』がライバル競合会社として挙げられます。
海外にまで広げると、Amazonという巨大企業とも戦わなければいけません。
そう考えると、何かしらの起爆剤として、
ECサイトを盛り上げる策が必要となります。
そこで、ZOZOが運営するZOZOTOWNです。
また、ZOZOもヤフーのソフトバンクグループの顧客基盤が欲しいでしょう。
ZOZOTOWNのみの1本足打法で勝負するには、
これからのネット通販市場では熾烈な争いが予想されます。
ヤフーという巨大サイトがあれば、
ヤフーショッピングやPayPay、ソフトバンクの携帯・スマホ契約者への営業提案ができますよね。
追記:2019年秋に開設予定の『PayPayモール』における協業シナジーも見込むことも想定しています。
確かに厳しい時代を生きるには、お互いの強みを掛け合わせていくような感じなんですね。
3. TOBとは?どんな買収方法があるの?
Point ➤TOB・MBO・MBI・LBOの4つの方法がある!
次にTOBについても理解を深めよう!
TOB(Take Over Bid)とは…➤
株式公開買い付けのこと。ある企業を買収したい場合は、株価と期間を表明、不特定多数の株主から証券取引所を通さずに直接株式を買い付ける。こうすることで、短期間で大量の株式を取得することができる。
また、TOB には友好的TOB、敵対的TOBという2種類の区分があります。
2種類のTOBとは…➤
▸友好的TOB…買収される企業が、買収されることに同意しているということ
▸敵対的TOB…買収される企業が同意していないにもかかわらず、TOBを実施すること
今回は…友好的TOBという認識で合っていますか?
友好的と捉えてよいと思うよ。こちらの記事にも、『誰かのもとで働くなら孫正義さん』というぐらい、尊敬を持っていそうだよね!
TOB以外の企業買収の方法を巻末に3つ紹介しておくので、ぜひ確認してみてください。
さて、『なぜヤフーの子会社にZOZOは入ったのか?』2つ目の理由にいきましょう。
【理由②】前澤さんは保有株式を売却することで莫大な資金源が手に入るから
今回の買収によって、おそらく前澤社長の保有する約36%の株式を売却する見通しです。
11日時点でZOZOの時価総額が約6,750億円ですので、単純計算すると…
6,750億円×36%=2,430億円
前澤さんのてもとには、
莫大な現金(=キャッシュ)が手に入るということです!
*追記:正確には、30.37%の株式を締結したとのことです。
これはご本人の見解がまだ出ていないのでなんとも言えませんが、
今後の個人活動の方に注力すると推察されます。
おそらく、月旅行ですよね…!
きっと、本格的に月旅行を目指す上で、莫大な資金が必要になるのも見越してます。
創業当初から立ち上げ、愛着があるだろうZOZOを
どこかのタイミングで、安心かつ確実に売却できる相手が必要だったのでしょう。
そこで、友好的TOBしてもらえる相手、
孫正義社長率いるソフトバンクグループということですね。
尊敬する孫さんになら、ZOZOを引き渡してもいいとの判断もあったはずです。
そのため、『友好的』TOBという手法になったと推察されます。
なるほど…株式売却すると莫大な資金が集まる。起業家らしい選択ですよね。いや~…もちろん賛否あるでしょうが、最高にクールです!
そうだよね、創業0からスタートして、時価総額6,000億円以上、そして約2,400億円以上の資金を手にして新しい道に進むわけですからね。日本には珍しい起業家精神です!
こういう事例が日本でもますます増えてくると、さらに日本が盛り上がりますよね。
その通りですね、これからもZOZO・ヤフー・ソフトバンクグループの動向をウォッチして、応援していきましょう!
▸追記(2019.10.04)
なんと、退任発表直後に、旧社名の『スタートトゥディ』という会社を設立していたそうです…!
これから、どんなビジネスをするのか楽しみですね^^
【ご報告】ということで、私 前澤友作は、9月12日にZOZO社を辞任し、その直後に新会社「株式会社スタートトゥデイ」を設立し代表取締役社長に就任しました。まだ一人も社員はいませんが、今後このスタートトゥデイ社を通し、またゼロから新事業を起こしていく予定です。どうぞよろしくお願いします。
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤 友作 (@yousuck2020) 2019年10月4日
▸追記(2019.11.14)
前澤友作さんのnoteに、TOB完了の報告と、その経緯について心の内を明かしてくれました。
ぜひ、この記事を読んだ皆さんも一読してみることを強くおすすめします。
下記は、買収方法(M&A)の種類を記載しておきます。
ぜひ、目を通して理解を深めておきましょう。
MBOとは…➤
MBO はマネジメントバイアウトの略。現在の経営陣が自社や事業を買収することを表す。こうすることで、経営陣が自社の経営権を持つオーナー経営者になる。
(補足)
ケースとして、企業が業績悪化などの理由で事業再編をする際に、MBO を行って上場を廃止することがある。こうすることで、経営陣がオーナーとなって機動的な経営を行い、思い切った事業再編を行うことができる。
MBI(Management Buy In)とは…➤
MBIは、マネジメントバイインの略。MBOの派生版として扱われる。異なる点は、MBIは企業の外部の経営陣による買収となること。
LBO(Leveraged Buy Out)とは…➤
LBOは、レバレッジドバイアウトの略。LBOは大量の買収資金を全て用意せずとも買収できる。買収される企業の資産や将来性を担保にして、資金を金融機関から借り入れ買収する。これにより、限られた資金でも大型の買収ができる。
(補足)
企業の業績が、買収後に悪化した際は、借り入れた資金を返済できなくなるリスクもある。
<おまけ【わかる人にはわかる】>
ZOZO前澤社長の退任劇と、起業漫画 『マネーの拳』の結末ストーリーが似すぎている…!
どちらも、0からアパレル関連を立ち上げ、
大きくなって株式売却して次の新しい道へと進む。
最高にクールです…!!
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました^^
下記のコラムも、応援の想いをこめて書きあげています。ひと休みしたら、ぜひご覧ください。
▼財務諸表・決算書を勉強してみたい方はどうぞ^^