vol3 トヨタ 株主総会 豊田社長が危機感を煽る2つの背景とは?高齢ドライバー事故にも言及する質疑応答(2019年3月)

 

 

[最終更新日]2019年9月30日 [読了目安]こちらの記事は5分程で読めます 

 

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➤目次

1.トヨタの2019年株主総会情報!

 Point ➤トヨタ本社の会場で5,546人の参加者集まる!

2.トヨタの株主総会の雰囲気は?

 Point ➤和やかなムードだが、高齢ドライバー事故に関する質問多数!

3.豊田章男社長が経営に危機感を煽る背景とは?

 Point ➤リーマンショック後の経営悪化と米国リコール問題の苦難を就任後に味わう

 

おまけ1)

出待ち取材をされそうになりました。

おまけ2)

トヨタ博物館に行ってきました。

おまけ2)

キユーピー拳母工場に行ってきました。

 

3.豊田章男社長が経営に危機感を煽る背景とは?

Point ➤リーマンショック後の経営悪化と米国リコール問題の苦難を就任後に味わう

 

 

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こすぴー先生

豊田社長が質疑応答や最後の弁論の時に、トヨタの経営に対する危機感を持っていました。その理由はこちらの記事でもご紹介しています。今回は、なぜ豊田社長がここまで周りを煽るのか?彼の背景にスポットを当ててみたいと思います。

 

豊田章男社長より(総会終盤)
まちいちばんの会社、いい車を作ろう。創業の原点に戻ろうということ。ひとりひとりがお国のために、会社のために、誰かのためにあってほしい。年輪を刻むがごとく、創業の想いを忘れずに仕事をしていく。豊田らしさを失わないようにする。(中略)「トヨタは大丈夫。」という慢心を社員が持ち始めた瞬間、トヨタの『死』を意味する。

 


とても、謙虚に、そして自戒を込めたような発言でした。

 


「まちいちばんを目指す」という経営の基本的な考え方を最初に持ってくるところ。

だれかの役に立つからいいサービスができるのだということ。

さいごにトヨタのオリジナリティを出そうということ。

 

そして、慢心するなという危機感を煽っていました。

 

どれも、とても深く深く印象付けられた言葉です。

 

 

けれども、日本一と言われる大企業のトヨタがなぜそこまで危機感を煽るのでしょうか?

 

それは、豊田章男社長には2つの苦い記憶があるからだと推測します。

 

ひとつは、2008年のリーマンショック後の経営悪化です。

ふたつめは、2009年の米国リコール問題です。

 

2008年のリーマンショック後の経営悪化

章男社長は2009年6月の株主総会を経て、

14年ぶりに創業家として経営を引き継ぎました。

 

しかし、その当時の経営環境は良い状態とはいえません。

 

2008年のリーマンショック後で、世界経済は減速してクルマの販売台数も増えませんでした。

そのため、2008年度のトヨタは久しぶりの赤字転落。

 

売上高

07年 約12兆円

08年 約9兆円

営業利益

07年 約1兆円

08年 約△180億円

 

その後、徐々に経営改善を図るものの、

2011年は東日本大震災の影響で、超円高に突入。

 

転機現れるのは

 

就任後4年経った2013年。

 

じつに社長就任後は、4年も創業家のプリンスは苦難の道を歩むのです。

 

 

2009年の米国リコール問題

その間、もうひとつ大きな事件が起きます。

 

2009年に米国でトヨタ車の不具合による、大規模リコール問題が勃発。

 

2010年2月には、米議会公聴会にて豊田社長が証言を述べる事態にまで発展しています。


「交通事故0の社会を目指す」と経営方針を掲げつつも、

こうした悲しい事件や事故も起きつつ、苦難の道のりが相次ぐ豊田章男社長。

 

当時は大きく日米のニュースに、取り上げられていました。

 

 

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こすぴー先生

創業家のおぼっちゃんと揶揄する人もいますが、章男社長は経営経験として、こうした苦難の道のりを就任直後に歩んでいます。その間、お家芸の原価低減を図り、耐え抜いている姿には、見事としか言いようがないですね。

 

 

 

こうした大きな2つの出来事を経験した豊田章男社長です。

 

「トヨタは大丈夫。」

 

という慢心が蔓延した瞬間に、いつでも転げ落ちることが、

身に染みてわかっているからこその発言だと思います。

決して、パフォーマンスで発言しているわけでもなんでもないと思います。

 

また、この姿勢は、経営戦略にも出ているように思いました。

下記は、株主総会での質問のひとつです。

 

Q.株主還元。配当金据え置きは納得できない。役員報酬ばかりあがっている。ROAやROEの言葉でごまかさず。自社株買いは自粛すべき。

 

 

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執行役員 白柳さん

リーマンのようなこともあるので、手元資金の健全性を高めたいです。CASEなどへの成長投資を行う資金として残しておく。配当は30%前後にしておきつつ、自己株は資本効率の向上を図っておきたいです。

 

 


たしかに近年の好業績からすると、株主からすると還元を期待もしたくなります。

 

ですが、自動運転などへの時代変革が起きている今、

既存の自動車モデルの会社がどこまで生き残るのか全く予想不可能です。

 

章男社長は「100年に1度の大変革期」とまで表現しています。

その挑戦のためにも、財務の健全性を高めて準備しておきたいのは、

経営者の気持ちとして抱えているのかもしれません。

 

 

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しゅうじさん

決算発表や株主総会で、しきりに危機感を煽る社長の背景にはそういったことがあったんですね。

 

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こすぴー先生

決して、パフォーマンスではない、経営危機を感じているってことだよね。最後に、豊田社長自体は、危機感ではなく、価値観を伝えたいと表現していました。

 

 

 

豊田章男社長

未来に向けてフルモデルチェンジした1年。

こんなにもトヨタらしさを取り戻すことが難しいのか。

平時における改革は難しい。

 

企業風土をつくることに、時間を費やし時間をかけた。

トヨタが死ぬとは、トヨタが大丈夫だと慢心するときだ。

危機感ではなく、価値観を伝えたい。

愚直に他者のために、と取り組んだ先代たちのおかげで今がある。。

大丈夫だという慢心を取り除き、トヨタらしさを取り戻す。

 

先行技術、アフターサービス、販売を担当する。

現在、過去、未来の価値を一緒に取り組んでいる。

世間は未来のことばかり注目するが、過去と現在がしっかりしているから

こそできること。

トヨタらしさという価値観を取り戻し、価値観を伝えたい。

 

 

 

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こすぴー先生

豊田社長の背景を知ると、こうした言葉の重みを感じます。どこか背筋が正される想いですね。

 

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しゅうじさん

株主総会にただ参加するだけだと、2時間が退屈になりがちですが、こうして事前の予習をしておくと、とても面白いということが実感できました。来年は…早めに出発しましょう!笑

 

 

 【1】 【2】 【3】 

 

おまけ1)出待ち取材をされそうになりました。

株主総会後、外を出るとマスコミメディアの方が出待ち取材をしていました。

テレビカメラを向けて、株主さんに感想インタビューをしています。

 

まさか取材はないだろうと歩いていたら、ある有名メディアから取材のお声がけが…!

 

「○○会社の記者ですが、ちょっと、感想を聞いてもいいですか?」

 

ぼくは取材して記事を書く側の人間なので、と心に思いながら、

丁重にお断りさせてもらいました(^^;

 

取材OKな株主さんは、ぜひされてみるのも良い経験だと思います!

 


おまけ2)トヨタ博物館に行ってきました。

総会終了後、場所は離れていますが電車を乗り継いで、

トヨタ博物館へうかがいました。

 

クルマ館と文化館で分かれており、

トヨタ車だけでなく、日本や世界のクルマが展示されていることにびっくり。

これはクルマ好きなら一度は行くことをおすすめします。

1時間くらいあっという間に夢中になりました。

 

▶資料6トヨタ博物館の様子

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おまけ3)キユーピー拳母工場に行ってきました。

実は、豊田市駅近くに、マヨネーズでおなじみにキユーピーの拳母(ころも)工場があります。

せっかくなので、入れないことはわかりつつも、行ってみました。

そこまで大きくない工場ですが、会社を代表する調味料を製造しているということです。

ちゃんと、キユーピーマヨネーズのマークもありましたね^^

 

 

▶資料7キユーピー拳母工場の様子

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こすぴー先生

ここまで読んでいただき、ありがとうございました^^

下記のコラムも、応援の想いをこめて書きあげています。ひと休みしたら、ぜひご覧ください。

 

 

 

 ▼画像をクリック!!

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▼財務諸表・決算書を勉強してみたい方はどうぞ^^ 

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