[最終更新日]2019年10月11日↺ [読了目安]こちらの記事は3分程で読めます

『ZAIMの教室 財務諸表専門の学校』のこすぴーです。
ふゆみさんと一緒に、財務諸表・決算書の読み方を3時間でマスターする無料講座の2-5回目となります。
収益性の番外編として、『損益分岐点』を解説します。

その言葉は聞いたことがあります!

営業をやっている方は見覚えがある言葉ですね。
1.『損益分岐点』とは?
企業は何かしらのモノやサービスを売ることで、収益をあげています。
そのため、モノやサービスに『販売価格』がありますね。
損益分岐点とは…
モノやサービスの販売価格と原価が同じになる、採算がトントンになる地点のこと。
よって、単純に公式とすれば…
✔ 損益分岐売上高…売上原価 + 販売費及び一般管理費
このように表現できます。
ぜひ、下記の図も参考にしてくださいね!
< 損益分岐点の図解 >

つまり、この損益分岐点より高い売上を出せば儲けられるということですね!

おぉ、するどい!その通りです。逆に低くなると損失が出ます。
2.販管費が高いとハイリスク・ハイリターン!
この損益分岐点を少しシミュレーションしてみましょう!
Case
✔ 経営をしていると、コストカットという言葉を聞いたことがあると思います。
✔ このコストカットですが、できるだけ、固定費である販売費及び一般管理費を削減すると、効果が高くなります。

販売費及び一般管理費が何か覚えていますか?

えーっと、オフィスの賃料や管理部門の人件費ですか?

正解です!
このように、企業活動をしていなくても絶対にかかる費用のことを『固定費』と呼びます。
逆に、企業活動をすれば変わる費用が『変動費』です。
この固定費をグッと切り下げたとします。
< 損益分岐点の『固定費』を切り下げる >
すると、このようになりますので、
必然的に、損益分岐点も下がります。
< 損益分岐点の位置も下がる >
逆を言えば、固定費である販売費及び一般管理費が高ければ
それだけ売上を出さないといけないので、ハイリスクな経営となりえます。
3.売上高の上下を原価と共にチェック!
損益分岐点売上高の確認も大事ですが、もうひとつ確認しておくことがあります。
もし、『売上高が前年よりも下がったら、原価も下がっているのか』チェックです。
たとえば、極端ですが、以下のようなケースだと要注意です。
2016年
売上高 100万円
売上原価 40万円
販管費 15万円
利益 45万円
2017年
売上高 60万円
売上原価 38万円
販管費 15万円
利益 7万円
ここでポイントは、
✔ 売上高が前年に対して、△40%(100万円→40万円)になっている
のに対して
✔ 原価が△5%(40万円→38万円)しか下がっていない
という点です。
もちろん、同じような比率で原価を下げることは難しいですが、
あまりにも乖離があると、収益に対する原価管理ができていないということになります。

損益分岐点って言葉は知ってたけど、シミュレーションまではしたことがありませんでした。

ぜひ、営業の人も、いくら売れば儲けが出るのか?一度、計算してみることをおススメします!
・2-1 財務諸表の分析!実際の使い方がわからないという方へ
・2-2 儲かっているかな?①『売上』に占める利益の割合を知る!
・2-3 儲かっているかな?② 『資産』に占める利益の割合を知る!
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