[最終更新日]2021年03月23日↺ [読了目安]こちらの記事は3分程で読めます
『ZAIMの教室 財務諸表専門の学校』の小菅です。(こすぴー先生)
トヨタ自動車<7203>の2019年度4Qの決算が発表されました。(2020.05.12発表)
今回は、記者のしゅうじさんと速報分析していきましょう。
日系企業を代表する会社であるので、業績が気になっていました!結果としては、【減収減益】でしたね!
そうですね!新型コロナウイルスの影響もあり非常に興味深い決算報告です。
一緒に企業決算を見ていきましょう!
➤目次
1. 2020年3月期の決算状況を見よう!
Point ➤減収減益 要因は為替変動・コロナ影響による!
2.2021年3月期見通しを見よう!
Point ➤減収減益 新型コロナウイルスの影響で見通せず!
3.トヨタは強い財務体質なのか?(有料会員限定)
Point ➤財務健全性と手元資金を分析!
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1.2020年3月期の決算状況を見よう!
Point ➤減収減益 要因は為替変動・コロナ影響による!
➤連結業績(減収減益)
▶資料1 売上高と各利益
(決算説明会資料より)
【Point!!】
売上高 29,929,992百万円 △1.0% (前年対比)
営業利益 2,442,869百万円 △1.0%(前年対比)
第4四半期累計の決算は、減収減益だったんですね!
そうみたいね!中間決算では、増収増益を達成していただけに、影響を見る必要がありそうです。要因を、決算資料とともに見ておきましょう。
▶資料2 営業利益の分析
(決算説明会資料より)
【Point!!】単位:億円
・為替変動の影響(△3,050)
・コロナ影響(△1,600)
・原価改善の努力(+1,700)コロナ影響の内訳
台数影響:△1,000
金融事業:△600
▶資料3 販売台数の分析
(決算説明会資料より)
【Point!!】単位:千台
アジア(△79)
北米(△32)
やはり、アジア圏での販売台数の影響が大きくありましたね!中間決算では、どの地域でも販売台数は堅調傾向だっただけに残念でした。。
為替変動(△3,050億円)も見逃せないぐらい大きな影響でしたね!(昨年2018年4Q決算では前年比△500億円でしたので)
ますます、今後の見通しに目が離せません、次章で見ていきましょう!
2.2021年3月期の見通しを見よう!
Point ➤減収減益 新型コロナウイルスの影響で見通せず!!
資料4 2021年3月期見通し
(決算説明会資料より)
【Point!!】
24,000,000百万円 △19.8%(前年対比)
500,000百万円 △79.5%(前年対比)
新型コロナウイルスの影響で売上高・営業利益の公表のみでした。大きく減収減益の予想です。
新型コロナウイルスの見通しがつかないうえ、見通し値の妥当性がわからないので難しいところですね。79.5%減の5,000億円の営業利益は確保するとのことです。
資料5 減益の見通しの分析(2021年3月期)
(決算説明資料より)
【Point!!】単位:億円
・台数減少(△15,000)
・為替変動(△4,300)
これまでの実績からしても、少し弱気な見通しではないでしょうか?(質疑応答でも同様の質問がありました)
これは、2020年度は四半期ごとの推移をしっかりチェックする必要がありそうですね!
3.トヨタは強い財務体質なのか?
Point ➤財務健全性と手元資金を分析!
新型コロナウイルスの影響で、多くの企業へ打撃が来ると思われます。そこで、トヨタの財務体質を分析しておき、耐えうる財務を持っているのか検証してみようと思います!
■短期の安全性分析(ZAIMの教室にて算出)
■流動比率(流動資産÷流動負債×100)
2020年3月期:104.1 %(やや悪い△)
2019年3月期:103.6 %(やや悪い△)【Point】
短期的な安全性を示す流動比率は104%!150~200%あれば最低ラインの数値と言われるなか、目先1年以内の安全性の数値としてはやや悪い結果といえる数値でした。
▸流動比率を勉強した方向けの記事
■手元流動性比率(手元流動性[現金及び預金+有価証券]÷(売上高÷12))
2020年3月期:1.95 ケ月(並〇)
2019年3月期:1.87 ケ月(並〇)【Point】
短期の資金繰りの余裕度を示す安全性の指標。手元流動性が高いと、債務返済に必要な資金が確保されているということである。売上がストップしても、どのぐらいの期間、資金繰りに耐えられるか?という視点です。上場企業の平均値は1~1.5か月といわれています。2~3か月以上あると優良な数値。
■中長期の安全性分析(ZAIMの教室にて算出)
■自己資本比率(純資産÷資産×100)
2020年3月期:40.3 %(並〇)
2019年3月期:39.6 %(並〇)【Point】
総資本に占める自己資本の割合を示す自己資本比率ですが、直近の指標は40.3%でした。こちらは、最低ライン30%以上、50%以上あると優良といわれる数値のため、財務健全性はまずまずの数値だと認識できます。
▸自己資本比率を勉強したい方向けの記事
■固定比率(固定資産÷純資産×100)
2020年3月期:160.2 %(悪い×)
2019年3月期:160.7 %(悪い×)【Point】
長期的な安全性を示す固定比率は、固定資産を純資産ですべて賄えているのか?という指標でした。そのため、100%以下であることが望ましい指標なのですが、数値としては悪い数値でした。
工場などを抱える製造業のため固定資産が多くなりがちな企業です。割り引いて考えたとしても、もう少し健全な数値が欲しいところです。
▸固定比率を勉強した方向けの記事
■固定長期適合比率(固定資産÷(純資産+固定負債)×100)
2020年3月期:97.9 %(並〇)
2019年3月期:98.1 %(並〇)【Point】
固定比率が100%を超えた場合にチェックしておきたい固定長期適合率です。こちらは、固定負債まで含めたら、固定資産を賄えているのか?という指標ですので、100%以下が望ましい数値です。98%と並みの数値でした。
▸固定比率を勉強した方向けの記事
■その他安全性分析(ZAIMの教室にて算出)
■有利子負債比率(有利子負債÷純資産×100)
2020年3月期:96.8 %(並〇)
2019年3月期:98.0 %(並〇)【Point】
利子がある借金、有利子負債が、自分で調達してきた純資産の金額を超えていないか?比率でチェックする指標です。こちらは100%以下でしたのでまずまずの指標となります。
■D/Eレシオ(有利子負債÷純資産)
2020年3月期:0.97 (並〇)
2019年3月期:0.98 (並〇)【Point】
有利子負債比率と似ているD/Eレシオです。こちらは比率で表すのではなく、単位は(倍)で表示します。表す意味自体は同じです。
■ネットD/Eレシオ((有利子負債-現金及び預金)÷純資産)
2020年3月期:0.76 (並〇)
2019年3月期:0.80 (並〇)【Point】
有利子負債から現預金を差し引いたものを用いたD/Eレシオであり、純有利子負債比率とも呼べる指標です。実質的な返済額は、有利子負債から手元の現金及び預金を差し引いた金額となります。D/Eレシオが悪くても、ネットD/Eレシオが良い場合は、経営上のリスクは小さいと判断できます。
全体的には、平均的な安全性の財務体質でした。とびきり優良な数値でもなければ、とびきり悪い数値でもありません。
むこう3か月以内程度での倒産可能性も少なく、もしも情勢変動があって危機的な状況に陥っても、基本的には大丈夫でしょう。
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました^^
下記のコラムも、応援の想いをこめて書きあげています。ひと休みしたら、ぜひご覧ください。