[最終更新日]2019年10月14日↺ [読了目安]こちらの記事は3分程で読めます
『ZAIMの教室 財務諸表専門の学校』のこすぴーです。
ふゆみさんと一緒に、財務諸表・決算書の読み方を3時間でマスターする無料講座の2-9回目となります。
今回から、最後の分析の型『成長性』の分析に入ります。
これから株式投資もしたいので、ぜひ教えて欲しいです!
成長性分析に入る前に、前段のお話を2つしますね。
1.『損益』だけで判断しない!
これから、成長性の分析に入る前に、
必ず覚えて欲しいのは、『単純な損益だけで判断しない』ということです。
たとえば、これだけ儲かっているから大丈夫だろう?と損益計算書を見て判断しても、
その裏では、多額の投資額がもしかしたら積まれているかもしれないです。
たとえば、下記のような2つの会社で比べてみて欲しいと思います。
A社
✔ 利益:100万円
✔ 投資額:1億円
✔ 投資利回り:1%
(=100万円÷1億円×100%)
B社
✔ 利益:100万円
✔ 投資額:1,000万円
✔ 投資利回り:10%
(=100万円÷1,000円×100%)
この場合、A社は損益計算書を見て、100万円の利益があるから大丈夫!と判断してはいけません。
B社では、同じ案件を1,000万円の投資で稼いでいるのです。
このように…
『成長』とは、投資額と利益額(=資産と損益)
で捉えて欲しいと思います。
2.『戦略的な経営』で会社は大きく!
小さい頃って、身体が大きくなると、色んなことができたよね?
はい!身体が成長すると、できることが増えましたね。
< 成長性のイメージ図 >
人の成長は、身体が大きくなると、身体能力がUPします。
すると、昨日までできなかったことが、できるようになってきます。
赤ちゃんが、はいはいから立ち歩きできる様子なんて、そのイメージです。
しかし、会社はそうはいきません。
会社は戦略的に経営しないと小さいままです!
こどもの頃は、ご両親が育ててくれましたが、会社は放っておいても大きくなるわけではありません。
戦略的に、投資を図り、資産規模を大きくして、
その結果として、できる事業が増えて、色々な利益を稼げるようになります。
3.『バランスの良さ』を見よう!
さて、以上2つの話が理解できたら、さっそく分析のひとつめの紹介です!
成長性分析の1つ目の分析方法です。
3つのステップに分けて、『バランス良く成長しているのか?』をチェックして欲しいと思います。
STEP1
『売上が伸びている?』
✓売上高の推移を見比べましょう
STEP2
『利益も伸びている?』
✓利益の推移を見比べましょう
STEP3
『資産に見合う利益かな?』
✓ROAとROEの推移を見比べましょう
ポイントとしては、下記の2つになりますが、前段でもお話したように、
損益だけで見るのではなく、資産の大きさとともに比べることが大事です。
①『売上と利益』がバランスよく成長しているのか?(STEP1&2)
②『利益と資産』がバランスよく成長しているのか?(STEP2&3)
かの投資家で有名なバフェット氏も、下記のような視点で企業分析をしています。
『一貫して収益の成長性を保っているか?』
デコシャコとするのは、経営者の怠慢であるとまで述べているそうで、なかなか、秀逸です。
この一貫性こそが、企業の競争優位性を生み出すということです。
しかし、ここで勘違いしてほしくないのは、
『必ずしも成長がいいということではない』
ということです。
たしかに、成長もしっかりとした裏付けがあれば、良いことなのですが、
たとえば下記のような要因で成長する場合もあります。
▶急成長のダメな要因
✔ 従業員の給料を下げて利益を確保する
✔ 取引先に無茶を通して仕入れ価格を下げる
✔ 販売先に無茶を通して販売価格を上げる
✔ 不正な会計で水増し数値を計上する
このような要因で、大きく成長した企業は必ずどこかで無理が生じます。
もしくは不正や不祥事が明るみになったり、翌年、急降下して儲からなくなります。
そのため、わたしたちが本当に目指すべきはこのような認識だと思います。
『年輪のように、自然なかたちで、持続的に成長する』
ぜひ、急成長している会社を分析した場合は、きちんと裏付けを確認しておくとよいでしょう。
成長性分析1つ目はわかったかな?自然な形で成長するのは人も同じこと。急成長に無理は付きものだからね。
年輪を刻むような成長…!しっかりと見極めたいと思います。